「PTA適正化推進委員会」のPTA適正化推進委員会の佐藤氏が消費者庁の担当者と行った、PTAへの入会が消費者契約法上の「契約」にあたるか、およびその契約成立に必要な手続きについての電話でのやり取りをまとめたものです。
まず、PTAの入会が消費者契約法(消契法)における「契約」行為であるかという点について、佐藤氏が横浜市の見解や消契法の逐条解説に基づきPTAを「事業者」として認識していることを伝えたのに対し、消費者庁の担当者は、PTAの入会は会費(金銭)の発生の有無に関わらず、事業者と消費者との間の契約になるという認識を示しました。
次に、PTAの入会方法として、児童の入学と同時に保護者が自動的に会員となるという、明示的な意思確認を伴わない実態が9割以上のPTAで見られるという現状が佐藤氏から指摘されました。これに対し消費者庁側は、入学イコール入会という自動的な方法は、保護者が契約内容をまったく知らない状態であり不適切であるとし、契約を成立させるためには、消契法や民法の原則に照らして、PTA側が活動内容や会費について十分に説明し、保護者から入会への明示的な意思表示、特にトラブル防止の観点から書面(署名)で確認を取ることが基本であり「筋」であるという見解を述べました。
さらに、オプトアウト方式(入会を希望しない者のみが申し出る方式)での契約成立の是非について質問が及ぶと、消費者庁の担当者は、この方法ではPTAが会員の管理や会費の請求が困難になる点や、個人情報保護法の問題も絡む点を指摘し、契約として明示的な意思確認を取っている場合と同等に認めることは「難しいのではないか」という見解を示しました。ただし、オプトアウト方式を用いた場合の入会契約の最終的な有効性については、「司法の判断」に委ねられる事項であるため、消費者庁としては断定的な回答を避けるという姿勢を取りました。
最終的に、PTA入会をめぐる契約上のトラブルや、後に保護者から「錯誤無効」などを主張された場合に対抗できるような、最も適正な方法として、入学前の説明会で活動内容や費用をきっちり説明し、保護者から入会に賛同する旨の明示的かつ書面でのサインを提出してもらうことが、最も「スマート」であり「王道」であるという認識で両者は一致しました。