PTA適正化推進委員会が目指すもの
私たちの目指すものはPTAの解体でも対立でもありません。目指すのは、学校とPTAの間に本来あるべき「独立性の修繕」です。
長年続いてきた「組織の癒着」「会計の混同」「個人情報の流用」。これらを法的に整理し、学校の下請け機関から、自立した社会教育関係団体へ。 お互いの領分を尊重し合う「大人のパートナーシップ」こそが、子供たちのための持続可能な学校支援を実現します。
【重要】当会を「怪しい」「やばい」と検索された学校関係者・PTA役員の皆様へ
貴殿が当会の活動に「違和感」や「警戒心(やばい)」を抱かれるのは、ある意味で正常な反応です。 なぜなら、我々が提唱しているのは、貴殿が長年「前例踏襲」として疑わずにきたPTA運営の法的瑕疵(地方公務員法違反・個人情報保護法違反・強制加入の強要)を、白日の下に晒しているからです。
「法を守りましょう」という当たり前の主張が「怪しい」と映るのであれば、それは貴殿の所属する組織のコンプライアンス感覚が、世間の常識から著しく乖離している証左に他なりません。
我々は「PTA不要論者」ではありません。「適法化推進委員会」です。 横浜市教育委員会等の通知に基づき、ただ「法律(ルール)を守れる組織になりましょう」と提案しているに過ぎません。
もし貴殿が「法を守るとPTAが潰れる(やばい)」とお考えなら、そのPTAはもはや社会教育関係団体として存続する資格を失っています。 感情的なレッテル貼りで法的リスクから目を背けるのではなく、まずは直下の資料で「ご自身の法的責任」をご確認ください。
1. 「教育委員会の公式見解(令和7年 最新通知より)」
入会手続き: 「加入届(オプトイン)の提出が望ましい」と明記。自動加入(オプトアウト)は否定されています。
個人情報: 「本人の同意なく学校からPTAに名簿を提供することはできない」と明確に禁止しています。
地方公務員法 第35条(職務専念義務)
教職員が勤務時間中にPTA(私的団体)の会計や集計業務を行うことは、職務専念義務違反(違法行為)です。 文部科学省も「給食費の公会計化」を進めており、PTA会費の代理徴収には法的正当性がありません。
民法 第522条(契約の成立)
「契約は申込みと承諾によって成立する」。入会届のない引き落としは「不当利得(民法703条)」であり、返還義務が生じます。
3. 「適法化のための具体的なアクション」
「まだ入会届を出していない」「違法状態を是正したい」とお考えの保護者様へ。 学校側に法遵守を求めるための「是正申入書」テンプレートを配布しています。
私たち「PTA適正化推進委員会」は、これからの時代にふさわしい、保護者にとっても学校にとっても負担の少ない、持続可能なPTAのあり方を提案しています。これまで日本の公立学校を支えてきたPTAの活動には、敬意を表すべき歴史があります。
しかし一方で、昭和の時代に作られた慣習が、現在の法制度やライフスタイルと合わなくなってきていることもまた事実です。私たちが目指しているのは、PTAを批判することではなく、法律という「共通のルール」に則って活動を見直し、誰もが安心して参加できる健全な団体へと生まれ変わらせることです。
これまでのPTA運営で当たり前とされてきたことの中には、実は現在の法律(日本国憲法、民法、個人情報保護法など)の観点から見ると、少し無理が生じている部分があります。私たちはこれを「構造的な課題」と捉えています。
「子供のため」という温かい思いを大切にしつつも、その思いが法的なリスクによって損なわれないよう、運営の土台をしっかりと整備する。それが私たちの提案する「適正化」です。
本報告書では、これまでの調査や研究をもとに、どうすればPTAがより風通しよく、法的にも守られた安心できる組織になれるのか、その具体的な改善策を前向きな視点で整理しました。
無理な「強制」から、温かい「協力」へ。保護者と学校が対等なパートナーとして手を取り合える未来を描くための、一つの道しるべとしてお読みいただければ幸いです。
PTA活動の基本は、保護者一人ひとりの「参加したい」という気持ちです。私たちは、この気持ちを大切にするために、民法に基づいた適正な入会手続きの導入をお勧めしています。
2.1 「自動加入」から「オプトイン」へ
これまでは、入学と同時に自動的にPTA会員となる「自動加入」が一般的でした。しかし、民法第522条の考え方に照らすと、契約はお互いの合意があって初めて成立するものです。何も知らされないまま会員になり、会費が引き落とされている状況は、保護者の「知る権利」や「選ぶ権利」が十分に尊重されているとは言えません。
そこで私たちは、入学時にきちんとPTAの活動内容を説明し、「入会届」を提出していただいた方のみを会員とする「オプトイン方式」への転換を推奨しています。これは決して「会員を減らすこと」が目的ではありません。きちんと説明を受けて納得して入会していただくことで、納得感のある前向きな会員が増え、組織としての信頼性が高まるからです。「知らないうちに入っていた」という不信感をなくし、「趣旨に賛同して入った」という信頼関係を築くことが、健全な運営の第一歩です。
2.2 会費の透明性と安心感
入会手続きが曖昧なままだと、集められた会費の法的な根拠も曖昧になってしまいます(民法第703条の不当利得の懸念)。もし、「入った覚えがないので返してほしい」という声が上がった場合、手続きがしっかりしていないと、役員の方々が対応に苦慮することになりかねません。
入会届を整備することは、保護者の権利を守るだけでなく、運営を担う役員の方々を法的なトラブルから守ることにもつながります。お互いが気持ちよく活動するためにも、お金に関わる部分は特にクリアにしておくことが大切です。
PTAは本来、学校とは別の独立した社会教育関係団体です。しかし、学校の中に活動拠点があることで、先生方がPTAの業務を過度に担ってしまっている現状があります。これは、先生方の「働き方改革」の視点からも見直しが必要です。
3.1 先生方の「職務専念義務」を守る
地方公務員法第35条には、公務員は職務に専念しなければならないというルールがあります。勤務時間中に先生方がPTAの会計処理や行事の準備を行うことは、厳密にはこのルールとの整合性が問われる可能性があります。
これまでは「職務専念義務の免除」という特例で対応してきましたが、先生方の多忙化が叫ばれる今、PTAの仕事までお願いするのは酷ではないでしょうか。
私たちは、先生方には本来の業務である「子供たちの教育」に集中していただくべきだと考えています。そのためには、PTAの業務を先生に頼るのではなく、保護者自身で、あるいは外部の力を借りて運営できるサイズにスリム化していくことが望ましいのです。
3.2 教頭先生の負担を減らす組織的自立
特に教頭先生(副校長先生)が、PTAの事務局長や会計を兼任されているケースが多く見られます。これは学校とPTAのお財布や責任の所在が混ざり合ってしまうリスクがあります。
教頭先生には、あくまで学校側の「相談役」として関わっていただき、実務や金銭管理はPTA側で自立して行う。これが、お互いが対等で健全な関係を保つための秘訣です。
給食費などと一緒にPTA会費が引き落とされている「抱き合わせ徴収」も、見直しの時期に来ています。
4.1 会計の独立性を高める
学校の口座でPTA会費を管理することは、公金と私費の区別がつきにくくなるリスクがあります。また、学校がPTA会費を集めることには法的な委託契約が必要ですが、手続きが不十分なケースも散見されます。
現在は、コンビニ払いやスマホ決済、集金アプリなど、便利なツールがたくさんあります。これらを活用して、PTAが独自に会費を集める仕組みを作れば、学校事務の先生方の負担をゼロにすることができます。また、保護者にとっても「何にお金を払っているか」が明確になり、納得感が高まります。
4.2 公費と私費の適切な役割分担
PTA会費で学校の備品(カーテンや冷水機など)を購入し、学校に寄付することがあります。しかし、学校に必要なものは本来、公費(税金)で賄われるべきです。PTAが安易に肩代わりをしてしまうと、行政が「予算不足」という根本的な問題に気づく機会を失ってしまいます。
私たちは、安易な寄付をするよりも、保護者として「学校に予算をつけてください」と教育委員会に声を届けることのほうが、長期的に見て子供たちの教育環境を良くすると考えています。
個人情報の取り扱いは、今の時代、最も配慮が必要なポイントです。
5.1 学校からの名簿提供を見直す
かつては学校からPTAへ名簿が提供されていましたが、個人情報保護法により、保護者の同意なしに第三者(PTA)へ提供することはできなくなりました。入学時の書類に小さな文字で同意を求めるのではなく、PTA独自の入会届で、ご自身の手で連絡先を書いていただく形(直接収集)が最も安全で確実です。
「学校とは別団体である」という認識を持ち、独自に情報を管理することは、情報漏洩のリスク管理としても非常に有効です。
5.2 プライバシーへの配慮
役員決めの際などに、家庭の事情(ひとり親家庭や病気など)を皆の前で言わなければならないような雰囲気は、決してあってはなりません。個人のプライバシーや尊厳を守ることは、PTA活動以前の、人としての大切なマナーです。誰もが安心して参加できる組織であるために、個人情報保護法の遵守は欠かせない土台となります。
こうした改革は、一校だけの努力では難しい場合もあります。幸いなことに、教育委員会や行政の意識も変わりつつあります。
6.1 横浜市の先進的な取り組み
例えば横浜市教育委員会は、2026年から全市立学校でPTAの入会届を必須化する方針を打ち出しました。これは、「入会は任意である」という原則を行政が公式にサポートしてくれた素晴らしい事例です。
私たちは、こうした先進的な事例を全国に広め、各地域の教育委員会と連携しながら、現場の負担を減らすお手伝いをしていきたいと考えています。
PTAを「義務」から「学びと繋がりの場」へ。
「やらされるPTA」から「共に創るPTA」へ。
保護者と教職員が笑顔で協力し合う姿こそが、子どもたちに社会と関る喜びを伝えると信じています。
その第一歩を、私たちは全力で応援し続けます。
PTA入会申込書不在が引き起こす法的・構造的欠陥
PTAは「任意の社会教育関係団体」であり、学校とは別個の私的団体です。しかし、入会申込書(契約書)が存在しないことにより、以下の連鎖的な違法状態が発生します。
【民法・消費者契約法】
契約の不存在(民法第522条)
契約は「申込み」と「承諾」の意思表示の合致によって成立します。入会申込書がない状態での「自動加入」は、当事者の明確な意思確認を欠くため、法的に契約は成立していません。
不当利得(民法第703条)
契約が不成立である以上、会費を徴収する法的根拠が存在しません。根拠なく徴収された金銭は「不当利得」となり、PTAは保護者に対して返還義務を負います。
消費者契約法
仮に規約等で「入学をもって会員とみなす」と定めていても、消費者の不作為(沈黙)をもって承諾とみなす条項は、消費者の利益を一方的に害するものとして無効となる可能性が高い。
【個人情報保護法・地方公務員法】
PTAが自ら入会届を集めない場合、PTAは「誰が会員か」を把握できません。その結果、以下の違法な代行行為に依存することになります。
個人情報の目的外利用・第三者提供(個人情報保護法第69条・条例)
学校が保有する児童・生徒名簿を、本人の同意(入会申込書による同意)なくPTAへ流用・提供することは、個人情報保護法および自治体条例違反(目的外利用・第三者提供の制限違反)です。
職務専念義務違反(地方公務員法第35条)
会員管理や会費徴収は、私的団体であるPTAの業務です。法的根拠(入会申込書という契約)がないまま、教職員が勤務時間内にこれらを代行することは、公務員の職務専念義務に違反します。
守秘義務違反(地方公務員法第34条)
会費未納者リストの共有など、教職員が知り得た家庭の経済状況や思想信条(非加入の意思)をPTA役員に漏らす行為は、守秘義務違反に抵触します。
【地方財政法】
割り当て寄付の禁止(地方財政法第4条の5)
契約に基づかない金銭徴収は、「会費」としての実体を伴いません。公立学校という場を利用し、事実上の強制力を持って全世帯から一律に徴収する行為は、実質的な「割り当て寄付(強制寄付)」にあたります。
これは、本来任意であるべき寄付を事実上の公権力(学校の影響力)を用いて強制するものであり、地方財政法が禁じる行為です。
【学校教育法】
学校施設利用の不適切な容認(学校教育法第137条)
学校長は、学校教育上支障がない場合に限り、社会教育団体(PTA)への施設利用を許可できます。
しかし、上記のような「法的根拠のない金銭徴収」や「個人情報の違法流用」を行う団体に施設を使わせることは、学校のコンプライアンスを著しく損ない、学校運営への信頼を失墜させるため、「学校教育上の支障」に該当します。
違法状態を認識しながら漫然と活動を許可している学校長の責任は重大です。
【地方教育行政法・国家賠償法】
指導監督権限の不行使(行政不作為)
教育委員会は、学校および学校長を指導監督する権限と義務を有します(地教行法)。
「入会申込書がない=契約不在」という明白な法的欠陥により、現場で個人情報保護法違反や地公法違反が常態化していることを知りながら、是正措置(適正化指導)を行わないことは、違法な「不作為」となります。
これにより損害が生じた場合、行政(自治体)への国家賠償請求の対象となり得ます。
入会申込書がないことは、単なる手続きミスではなく、「PTAと学校の癒着による構造的違法行為」の動かぬ証拠です。
契約なき徴収(民法違反・不当利得)
情報漏洩と公務員の不法加担(個人情報保護法・地公法違反)
強制寄付の強要(地財法違反)
これらを解消する唯一の手段は、「入会申込書の導入による完全オプトイン化」および「学校とPTAの組織・金銭・情報の完全分離」です。
私たち「PTA適正化推進委員会」は、公立学校教育において長年慣習化されてきたPTA運営を、現代の法体系に基づき根本から再定義します。
私たちが指摘する問題の本質は、これまでの運営手法が日本国憲法、民法、個人情報保護法、地方公務員法、地方財政法と深刻な不整合を起こしている「構造的違法性」にあります。当委員会が主導する「適正化」とは、単なる負担軽減ではなく、PTAを「学校の一部」という曖昧な状態から切り離し、法的に自立した「任意加入の社会教育関係団体」として再構築する構造改革です。
■ 入会の任意性と契約の原則(民法第522条)
PTAは入退会自由な任意団体です。私たちは、入学と同時に会員となる「自動加入」や「オプトアウト方式」は民法に照らし無効であると断じます。入会届による明確な意思確認なき徴収は、契約なき債務履行であり、即刻廃止されるべきです。
■ 不当利得の返還義務(民法第703条)
意思確認なく徴収された会費は、法律上の原因を欠く「不当利得」に該当します。当委員会は、入会届のない保護者から徴収した会費は全額返還の対象であるという厳格な立場を堅持します。
■ 職務専念義務の遵守(地方公務員法第35条)
教職員が勤務時間中にPTA業務に従事することは、職務専念義務違反です。私たちは、学校とPTAの「組織的・業務的完全分離」を求めます。
■ 個人情報の厳格な管理(個人情報保護法)
学校が本人同意なく名簿をPTAに提供することは違法です。当委員会は、PTAが入会届を通じて直接会員情報を収集する「直接収集」を唯一の正当な手順として推進します。
■ 公私混同の排除(地方財政法)
法的根拠のない「代理徴収」や「抱き合わせ徴収」は、地方財政法上のリスクを孕みます。私たちは、金銭管理の透明性を確保するため、PTAによる直接徴収への移行を強く提唱します。
私たちは、法とエビデンスに基づき、以下の3点を適正化の柱として活動しています。
完全オプトイン方式の確立:自らの意思で署名した者のみを会員とし、非会員家庭への差別を一切許さない。
組織と金銭の完全分離:学校の予算とPTA会費を明確に分け、癒着のない独立した運営を実現する。
ボランティア性の回帰:強制と義務による肥大化した組織を解体し、純粋な志を持つ者による自律的な活動へと転換する。
私たちは、感情論ではなく「法治主義」によって現状を打破します。適正化されたPTAこそが、民主主義社会における成熟した市民活動のモデルケースになると確信しています。
PTA適正化推進委員会
PTA適正化推進委員会
令和8年1月
学校現場において、教職員が勤務時間内にPTAの会計・集金・事務等の業務(以下「PTA業務」)に従事することは、地方公務員法第35条の「職務専念義務」に違反する疑いが極めて強い。これに対し、学校管理職や教育委員会はしばしば「PTA活動は学校運営に必要不可欠であり、公益性が高いため、職務専念義務の免除(職専免)の対象として適法である」と抗弁する。また、現場によっては職務命令として業務を課している実態もある ¹ 。
しかし、この「必要不可欠」あるいは「職務命令」という主張こそが、PTAが本来有すべき法的性質(社会教育関係団体)を否定し、地方財政法違反(違法な寄付の強要・公費の肩代わり)を自白する「論理的な詰み(ダブルバインド)」の状態に陥っている。本稿ではその法的問題を明らかにする。
「私的団体」としてのPTAと職務権限の限界
PTAは社会教育法第10条に定める「社会教育関係団体」であり、行政(学校)から独立した自主的な任意団体(私的団体)である。 地方公務員法および教育法規の原則に基づけば、校長が教職員に対して発出できる「職務命令」は、あくまで「公務(学校の職務)」の範囲内に限定される。
「職務命令」が存在する場合の違法性(権限の逸脱)
一部の学校では、PTA業務に関して校長から職務命令が出されているケースがある。しかし、以下の理由により、そのような命令は法的に無効、あるいは違法な命令であると言わざるを得ない。
職務権限の範囲外
職務命令は「職員の職務に関するもの」でなければならない ² 。法解釈において、「学校と関係はあっても、PTAの会計事務や青年団活動の指導などを命ずることはできない」と明記されている ³ 。学校とは別個の団体である「PTAの会計事務」や「集金業務」を命じることは、校長の職務権限の範囲を逸脱している。
私的労務の提供強要
公務員に対し、特定の私的団体のための労務提供を職務として命じることは、公務の中立性を定めた地方公務員法の趣旨に反する。
「職務命令」が存在しない場合の違法性(職務専念義務違反)
他方で、明示的な職務命令を出さず、「慣例」として教職員に行わせているケースも多いのが実情である。この場合、教職員は「法的根拠のない業務」を「勤務時間内」に行っていることになり、地方公務員法第35条違反(職務専念義務違反)が直ちに成立する ⁴ 。 すなわち、職務命令があろうがなかろうが、教職員がPTA業務を行う法的正当性は極めて脆いものである。
会計管理の混在が示す「公私混同」
PTA会費の管理実態については、学校徴収金(給食費や教材費等の公金・準公金)と同一の口座や財布で管理されている場合と、分別管理されている場合がある。しかし、いずれのケースであっても、「学校(教職員)が会計実務を行っている」という事実に変わりはない。 これは本来、保護者や生徒の信託に基づく私的な会計であり、公費会計のような法規制がないため、「甘えの構造」が生じやすく、学校事務職員への負担固定化を招いている ⁵ 。
同一管理の場合
公金と私金(PTA費)の混同であり、会計規則上の重大なコンプライアンス違反である。
分別管理の場合
物理的に分けていたとしても、勤務時間内に公務員が私的団体の金銭出納・帳簿管理を行うことは、実質的な便宜供与(公的リソースの流用)にあたる。
「必要不可欠」論が招く地方財政法違反 学校側がPTAによる資金援助や、教職員による事務代行を「学校運営に必要不可欠な協力」と正当化しようとするならば、以下の法的矛盾に直面する。
公費負担の原則違反
義務教育諸学校の運営経費は、本来「公費(税金)」で賄われるべきものである(学校教育法、憲法第26条)。実際には教育財政の不足をPTAに依存している現状があり ⁶ 、これは本来行政が負担すべき経費を、保護者からの私費徴収で穴埋めさせている実態(いわゆる「第二の財布」)の自白に他ならない ⁷ 。
違法な寄付の強要
地方財政法第4条の5は、自治体が住民に寄付を割り当てることを禁じている。学校運営に不可欠な資金としてPTA会費を徴収し、その事務を教職員が組織的に担う構造は、事実上の「強制徴収(第二の税金)」であり、同法違反の疑いが極めて濃厚である。
形式的承認では適法化されない(茅ヶ崎市職員派遣事件の法理)
学校側は、条例に基づく「職務専念義務免除(職専免)」の承認手続き(あるいは黙示の承認)を盾に、適法性を主張することがある。しかし、最高裁判例(茅ヶ崎市職員派遣事件)は、形式的な承認手続きがあったとしても、以下の要件を満たさない場合は違法となると判示している ⁸ 。
公益上の必要性
その業務が「市の事務」と密接に関連し、公益性が高いこと。
業務の性質
私的団体の内部的事務(庶務・会計等)ではなく、行政目的の達成に直接寄与するものであること。
PTA事務に「公益性」は認められない
PTAの「集金」「会計」「会員管理」といった業務は、あくまで団体の「内部管理事務」である。裁判例(八王子市観光協会事件)においても、市と連携する公益法人であっても「あくまで市とは別個の団体」であり、その一般会計事務に従事させることは違法と断じられている ⁹ 。 特定の私的団体の財布を管理することに「公益性」があると強弁することは、行政による裁量権の逸脱・濫用であり、たとえ形式的な承認印があったとしても、その承認行為自体が実質的違法性を帯びる。
行政の不作為と違法の二者択一 以上の通り、教職員によるPTA業務従事を正当化しようとする試みは、いずれの理路をとっても破綻する。
PTAを「私的団体」と認めるならば
その内部事務を公務員に行わせることは、職務専念義務違反および特定団体への利益供与であり違法である。
PTAを「公的な機能(必要不可欠な存在)」と主張するならば
その資金は公費で賄われるべきであり、保護者への負担転嫁と教職員による徴収代行は、地方財政法違反および教育行政の怠慢(予算措置不履行)である。
学校および教育委員会は、教職員に違法な労働を強いる「職務命令」や、法の趣旨を歪めた「職務専念義務免除」の運用を直ちに停止し、PTA業務の完全な分離(外部委託化または公費化)へと舵を切るべきである。
¹ 広島県立高校における事務職員へのアンケートや研修等の記録において、PTA事務を扱うべきか否かの議論や、「職務に専念する義務を免れるもの」とする解釈が存在した経緯がある。 (出典: 週刊教育資料 平成5年6月7日号 「学校事務の活性化と教育経営」)
http://dl.ndl.go.jp/api/iiif/12245220/R0000001/full/full/0/default.jpg?download=true (参照ページ: 1)
² 職務命令には「職員の職務に関するものであること」が有効要件の一つとして挙げられる。 (出典: 教育管理職講座 「職務命令は職務上の義務の一つ」)
http://dl.ndl.go.jp/api/iiif/001/R0000001/full/full/0/default.jpg?download=true (参照ページ: 1)
³ 具体的な職務命令の限界として、「PTAの会計事務や青年団活動の指導などを命ずることはできない」との記述がある。 (出典: 同上)
⁴ 職務専念義務(地方公務員法第35条)は、法令や条例に特段の定めがある場合を除き、勤務時間のすべてを職責遂行のために用いることを定めている。 (出典: 公私協働時代における職務専念義務免除のあり方, 法と政治 69巻1号)
http://www.city.sanda.lg.jp/soumu/documents/jikohatu.pdf (参照ページ: 15)
⁵ 学校徴収金(諸費会計)は、公費会計のような法規制がなく、学校事務職員への負担が「甘えの構造」として固定化しているとの指摘がある。 (出典: 週刊教育資料 平成5年6月7日号)
⁶ 教育財政が不足し、学校教育費の不足をPTAに依存している現状は改善されていないとの指摘がある。 (出典: 「社会教育」 PTAと社会教育 1979年)
http://dl.ndl.go.jp/api/iiif/digidepo_12245220_0001/R0000001/full/full/0/default.jpg?download=true (参照ページ: 1)
⁷ 広島県議会等の記録において、本来公費で賄うべき経費を父兄(PTA)から徴収している問題が指摘されている。 (出典: 広島県議会会議録)
http://dl.ndl.go.jp/api/iiif/04/R0000001/full/full/0/default.jpg?download=true (参照ページ: 1)
⁸ 茅ヶ崎市職員派遣違法公金支出損害賠償請求事件 (最高裁平成10年4月24日判決)。条例上の手続きを経ていても、派遣の目的や具体的な業務内容(内部的事務等)を審査し、公益上の必要性が認められなければ違法(職務専念義務違反)であるとされた。 (出典: 公私協働時代における職務専念義務免除のあり方, 法と政治 69巻1号)
⁹ 八王子市観光協会職員派遣違法公金支出損害賠償請求事件 (東京地裁平成14年7月18日判決)。観光協会の「一般会計事務」等に従事させることは、市の事務とは同一視できず、職務命令および職務専念義務免除は違法であると判示された。 (出典: 同上)
作成:PTA適正化推進委員会
日付:2026年1月
学校における働き方改革および学校徴収金の適正管理の流れの中で、文部科学省は「学校給食費等の徴収等の公会計化」を強力に推進している。この中で示されたガイドラインは、従来の曖昧な法的根拠に基づいていたPTA会費徴収のあり方に決定的な転換を迫るものである。
本論考では、当該規定の解釈を再確認するとともに、学校によるPTA会費の代理徴収を維持するために講じられつつある「形式的厳格化(業務委託契約・同意書取得)」が、かえって学校現場に甚大な弊害をもたらす構造的欠陥について論じる。
文部科学省通知に基づくガイドラインには、学校徴収金の扱いについて以下の通り明記されている。
地方公共団体又は服務監督教育委員会は、学校徴収金の種目ごとに地方公共団体の歳入歳出予算に組み入れること(以下「公会計化」という。)が適切かどうかを検討した上で、学校給食費その他の公会計化が適切な学校徴収金の公会計化を行い、その徴収及び管理を行うこと。
また、直ちに公会計化を行うことが困難であり、又は適切でない学校徴収金については、当該学校徴収金の目的である物品又はサービスを取り扱う事業者から保護者が直接購入するなどの方法によるものとすること
(出典:文部科学省「学校給食費等の徴収等の公会計化等の推進について(ガイドライン)」)
この規定をPTA会費に適用した場合、論理的帰結は以下の2点に集約される。
PTAは私的団体(任意団体)であり、その会費を自治体の歳入(公金)とすることは不適切であるため、「公会計化」の対象とはなり得ない。
したがって、規定の後半部分が適用され、「保護者が直接納付する方法(PTAによる独自徴収)」に移行しなければならない。
すなわち、規定の文言通りに解釈すれば、学校の手によるPTA会費徴収は廃止されるべきものである。
前述の原則にもかかわらず、慣例としての代理徴収を維持しようとする動きがある。その際、コンプライアンス上の正当性を確保するために、以下のプロセス(3要件)が不可欠とされている。
業務委託契約:PTAと学校(または教育委員会)間で徴収業務の委託契約を結ぶ。
しかし、これらの手続きを厳格に行うことは、本来の目的である「教員の負担軽減」や「適正化」と逆行し、学校現場に「弊害しかない」と言わざるを得ない状況を作り出す。
本来、学校徴収金の整理・公会計化は、教職員の事務負担軽減(働き方改革)を目的としている。しかし、代理徴収を維持するために、わざわざ「業務委託契約書の締結」「全家庭からの同意書回収・管理」「同意の有無に応じた徴収リストの個別修正」といった新たな業務を教職員に課すことは本末転倒である。これは働き方改革に逆行する「無駄な業務の創出」に他ならない。
学校が特定の私的団体(PTA)と業務委託契約を結び、金銭徴収を代行することは、公立学校が特定団体の「集金代行業者」に成り下がることを意味する。「なぜ学習塾やスポーツ少年団の会費は集めないのか」という問いに対し、公平・中立な説明は不可能である。これは公教育機関としての信頼性を損なう公私の癒着である。
「給食費等と一緒に引き落とします」という一文のみの通知から、法的に有効な「代理徴収への同意書」へ切り替えることは、保護者に「支払いは任意である」という事実を強く認識させることになる。
結果として、PTA非加入や支払拒否が急増することは避けられない。学校が代理徴収に固執すればするほど、PTAの財政基盤を崩壊させるトリガーを学校自身が引くことになる。
学校が保有する保護者の口座情報は、本来、給食費や教材費などの「学校徴収金」のために収集されたものである。これを第三者(PTA)のために流用するには、極めて厳格な同意が必要となる。
同意書の不備、未提出者データの誤送信、PTA役員への納入状況リスト(個人情報)の受け渡しなど、代理徴収を続ける限り、学校は常に個人情報漏洩のリスクと、目的外利用の法的責任を負い続けることになる。
以上の通り、契約や同意書によって代理徴収を適正化しようとする試みは、教職員の業務を圧迫し、法的リスクを高め、PTAの存続すら危うくする「愚策」である。
文部科学省通知の精神に立ち返れば、学校がとるべき道は一つである。
すなわち、安易な延命措置としての代理徴収を廃止し、PTA自身が会費を集める「完全分離(独自徴収)」へ速やかに移行することである。
これこそが、教職員を不必要な事務と法的リスクから解放し、PTAを健全な自立した団体へと成長させるための唯一の方法である。
参考文献・引用元
文部科学省(2019)「学校給食費等の徴収等の公会計化について(通知)」
当該通知およびガイドラインにおいて、学校徴収金の公会計化または直接納付の原則が示されている。
https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1417743.htm
文部科学省(2019)「学校給食費等の徴収等の公会計化等の推進について(ガイドライン)」
本論考で引用した「③ 学校徴収金の徴収・管理」の原文が記載されている資料。
中央教育審議会(2019)「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」
学校徴収金の公会計化が、教職員の負担軽減策の重要項目として位置づけられている。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1412985.htm