教職員の関与と職務の範囲
― PTA活動に関わる教職員の位置づけと制度整理 ―
― PTA活動に関わる教職員の位置づけと制度整理 ―
本ページでは、PTA活動に教職員が関与する場合の位置づけについて、職務の範囲および制度の観点から整理します。PTAは任意団体であり、教職員は学校の職員として公的な職務に従事しています。両者の関係が近接する場面では、教職員の関与がどこまで職務として位置づけられるのか、慎重な整理が必要となります。
教職員の職務は、学校教育法等に基づき、学校が行う教育活動およびそれに付随する校務を中心に構成されています。
一般に、教職員の職務には、
授業や学習指導
生活指導・生徒指導
学校運営に関する校務
などが含まれます。
一方で、学校の外部団体の活動については、職務として当然に含まれるものではありません。
PTAは学校と密接に関わる団体ではありますが、学校の内部組織ではありません。
そのため、教職員がPTA活動に関与する場合には、
学校職員としての職務なのか
外部団体への協力なのか
を区別して考える必要があります。この区別が曖昧なまま運用されると、制度上の整理が困難になります。
実務上、教職員が次のような形でPTA活動に関与する例が見られます。
PTAからの連絡文書の配布
会費案内や回収への関与
役員選出に関する調整
PTA行事への出席や協力
これらの行為が、どの範囲まで職務として整理されるのかは、一律に決められるものではなく、個別の整理が必要となります。
教職員がPTA活動に関与する場合でも、
職務として行っているのか
任意の協力として行っているのか
の区別は重要です。
任意団体への協力である場合、それが職務として当然に求められるものかどうかは、慎重に検討される必要があります。
教職員の関与は、PTA会費の徴収や個人情報の取扱いとも深く関係します。
会費案内の配布
会員・非会員の把握
名簿の作成・管理
といった行為が、教職員の職務として整理されているのか、あるいは外部団体への協力にあたるのかは、他の論点とあわせて検討する必要があります。
教職員の関与を整理する際には、校長等の学校管理職の役割も重要です。
教職員にどのような業務を求めているのか
PTAとの関係をどのように整理しているのか
といった点は、学校としての運用を左右します。
教職員の関与と職務の範囲は、次の論点と密接に関連しています。
いずれかの整理が不十分な場合、教職員の関与をめぐる問題は表面化しやすくなります。
本ページは、教職員がPTA活動に関与することの是非を断定するものではありません。
教職員の職務とPTA活動との関係を、制度的に整理するための基礎資料として位置づけています。