全国発の快挙 オプトインにまで踏み込んだ横浜市教育委員会通知
横浜市教育委員会が発出した「学教第1965号」は、PTAが任意団体であることを改めて明確に定義し、学校による個人情報の無断提供や強制的な会費の代理徴収を厳格に禁じるという、適正化に向けた歴史的な一歩となる画期的な通知です。
この通知により、入退会の自由や非会員家庭への差別禁止が公的に担保され、これまでの慣習に依存した不透明な運営を打破する強力な法的指針が示されたことは、全国のPTA改革における極めて重要な転換点と言えます。
長年放置されてきた教育現場の構造的課題に対し、教育委員会が「法と権利の遵守」を最優先に掲げて踏み込んだこの決断は、保護者と子どもの権利を守るための正真正銘の快挙です。
学教第1965号
令和7年12月1日
学校長
校長代理 殿
学校支援・地域連携課長
PTA運営の留意点について(通知)
日頃よりPTAと連携した教育活動にご尽力いただき、ありがとうございます。
さて、PTAは、社会教育法に定める社会教育関係団体(公の支配に属さない団体)であり、保護者と教職員が協力して子どもたちの健やかな成長を支え合うことを目的に、その趣旨に賛同する保護者と教職員によって運営される任意の団体です。そのため、PTAの入会にあたっては、本人への意思確認が必要となり、強制されるものではありません。
昨今、保護者の就業状況やライフスタイルの変化によりPTAに関する様々な意見が当課にも数多く寄せられており、学校に相談しながら対応をしています。このような状況を踏まえ誰もが参加しやすい持続可能なPTA活動を実現するために、加入方法や活動内容が世の中の動向等を踏まえたものとなっているか十分に検討し、場合によっては見直していくことが求められています。
つきましては、学校がPTAと連携して教育活動を進めていくために、特に別紙1にある5点について、PTA役員の方々とも確認・共有いただくとともに、PTAへの加入方法や活動内容について再確認をし、保護者の御理解・御協力を得て活動を行ってくださいますようお願いいたします。
担当:教育委員会事務局学校支援・地域連携課
地域連携係 PTA担当
(令和7年12月1日 教学第1965号)
横浜市教育委員会より、学校現場におけるPTA運営の適正化を求める極めて重要な通知が発出されました。当委員会では、一次資料である通知原文および別紙を精査し、全保護者・教職員が共有すべき「適正化の指針」を以下の通りまとめました。
これまで「当たり前」とされていた運用は、今回の通知により明確に否定・改善が求められています。
【加入の意思確認】
以前:自動加入(オプトアウト)への不信感
今後:「加入届」によるオプトイン方式を推奨
【個人情報保護】
以前:学校名簿の無断流用・目的外利用
今後:本人同意なき学校からPTAへの情報提供は厳禁
【子どもへの配慮】
以前:非会員世帯の子への差別・不利益(記念品除外等)
今後:加入状況に関わらず、全児童を平等に扱う
【会費の徴収】
以前:給食費等の公金との混合・選択不可の強制引落
今後:学校徴収金と分離し、書面で個別に承諾を得る
【学校との境界】
以前:校長名による依頼など、実質的な行政による強制
今後:学校が「代行」していると誤認される関与の抑制
「断りづらい」「知らないうちに会員になっていた」という状況を解消するため、明確な意思表示(加入届)を前提とした仕組みへの移行が必須です。また、加入後であっても役員就任や活動への参加は任意であり、断る際に「できない理由」を強制的に言わせるような、保護者に精神的苦痛を与える運用は許されません。
学校が教育課程のために取得した個人情報を、別団体であるPTAに流用することは法的に認められません。写真や動画の取り扱いについても、PTAと学校間で明確な合意と適切な管理体制(プライバシーポリシーの遵守)の構築が義務付けられます。
PTA活動は、その学校に通う「すべての子ども」を対象とするものです。登校班の編制や記念品配布で差をつけることは、学校教育の公平性を著しく損なう行為です。教育活動上必要な費用はPTA会費に依存せず、公費等で対応すべきであると示されました。
各学校・PTAは、以下の項目が遵守されているか直ちに確認が必要です。
[ ] 周知: 入学説明会等で「任意加入・退会自由」を明記した文書を配布しているか。
[ ] 同意: 会費の引落承諾書において「PTA会費」を独立した項目として選択可能にしているか。
[ ] 徴収: 学校が徴収代行を行う際、事前に学校とPTA間で書面による合意があるか。
[ ] 境界: 校長名での役員依頼など、学校主導と誤解される運用を停止しているか。
[ ] 寄附: 学校への寄附受納について、令和7年2月の通知(教東総第685号)を遵守しているか。
今回の通知は、長年「グレーゾーン」とされてきた学校とPTAの関係に、教育委員会が明確な一線を引いた画期的なものです。特に「オプトイン(加入届)」の推奨と「個人情報の厳格化」は、PTAが本来のあるべき姿(自発的な社会教育団体)に戻るための大きな一歩です。
当委員会は、この通知が現場で形骸化することなく実装されるよう、今後も厳格に注視し、保護者の皆様が安心して活動できる環境づくりを強力にサポートしてまいります。
PTA適正化推進委員会